病気の原因や治療、健康ダイエット法を知ろう!

《医師直筆》自覚症状無し?アルコール性肝障害の原因や食事


こんにちは!

 

からだプラン代表医師の橋本です。

 

内科医として働いています。

 

今回は、アルコール性肝障害にスポットを当ててみたいと思います。




☆肝臓とは?

それではまず、アルコール性肝障害について考える前に、肝臓とは何か、というところから見ていきましょう。

 

肝臓は、右の脇腹にある臓器で、成人女性での重さはおおよそ1.3kg、と言われています。

 

役割としては、体の中のエネルギーの調節(代謝)や、体にとって有害なものの分解をしています。

 

そのため肝臓には、「酵素」というものが多く存在し、その酵素が血液の中に多く見られるということは、肝臓の細胞が壊れている、という事を表す指標になっています。

 

例えば、肝臓に炎症が起こると、肝臓の細胞はダメージを受けますね。

 

そのような時に上がるのが、「肝機能酵素」と呼ばれる酵素です。

 

例えば、「肝機能酵素」の中で、血液検査で使われるものとしては、ASTやALT、と呼ばれるものがあげられます。

 

今回見ていく「アルコール性肝障害」は、そんなASTやALTが上がるものの一つと言えます。




☆アルコール性肝障害とは?

さて早速、アルコール肝障害について説明したいと思います。

 

アルコール肝障害とは、アルコールの飲みすぎによるものだということは、誰でも理解してもらえると思います。

 

でも、ちょっと詳しく説明すると、お酒は結構カロリーがあるものなので、一気にたくさん飲むと脂肪に変わってしまいます。

 

そして、その脂肪がどんどん肝臓にたまってしまって、肝臓がダメージを受けてしまうんですね。

 

これが、アルコールで肝臓が障害を受けてしまう、いわゆる「アルコール性肝障害」というものであります。

 

これを医学的にちょっと難しい言葉でまとめると、「アルコールの長期にわたる過剰摂取に伴う、肝障害」となります。

 

さらに、お酒の飲みすぎで脂肪肝の状態が続いている上で、さらに大量の飲酒を続けると、肝臓でもっと炎症を起こしてしまいます。




☆原因は?

まず、アルコール!

アルコール性肝障害はその名の通りアルコールが原因となります。

 

アルコールの飲みすぎの習慣が続くと、肝臓が炎症を受け続けてしまい、アルコール性肝炎にとどまらず、肝硬変になってしまうリスクが高まります。

 

ある研究では、アルコールを少量とるグループと、大量にとるグループの比較をして、沢山飲む方が肝硬変のリスクが25倍になってしまうという報告があります。

 

のん兵衛にはつらい話ですね(+_+)

 

アルコール性肝障害はその名の通り、やっぱりお酒によるところが中心になります。

 

遺伝も関係!

外来で一日50人以上の患者さんを診ていると、本当に実感しますが、人の身体は千差万別です。

 

背が高い人もいれば、低い人もいます。

 

太りやすい人もいれば、痩せやすい人もいます。

 

同じように、肝臓が強い人と弱い人も当然いるわけであります。

 

身体を作るのは、お父さんとお母さんから作られた受精卵ですので、やっぱり体質は遺伝と関係が切り離せません

 

健康診断で何度もアルコール性肝障害と言われてしまった方は、自分の遺伝や体質について見直す、いいきっかけになるかもしれませんね。

 

運動不足!?

先程、アルコール性肝障害は、脂肪肝が元になっているというお話しをしました。

 

脂肪肝とは肝臓に脂肪がたまってしまう状態でしたね。

 

さて問題です。運動を沢山する五郎丸選手と、運動が少ないお笑い芸人のクロちゃんと、

どちらの方が肝臓に脂肪がたまってしまうでしょうか(すごい例え)。

 

当然クロちゃんですよね。

 

医学的に補足すると、運動不足は「使われずに余ってしまったエネルギーが、脂肪として肝臓に沈着してしまう」という事を意味します。

 

ですので、運動不足もアルコール性肝障害の原因になってしまいます。




☆アルコール性肝障害の症状

アルコール性肝障害は、段階をおって様々な症状が見られます。

 

ここでは、症状とその時の肝臓の状態を見てみましょう。

 

初期症状

実は、アルコール性肝障害の初期症状はほとんどありません

 

それは肝臓の再生能力による部分が大きいです。

 

結果として、異常が起こっていることに気がつきにくい傾向もあります。

 

自覚症状が起こりにくいことから、肝臓のことを「沈黙の臓器」と言う先生もいます。

 

アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝とは、先ほどお話した通り、お酒の飲みすぎが原因となって、肝臓に脂肪が蓄積している状態です。

 

医学的には、全肝細胞のうち、30%以上が脂肪化している状態が脂肪肝と呼ばれています。

 

恐ろしいことに、この状態でもまだ自覚症状はありません。( ゚Д゚)

 

ですが、この「アルコール性脂肪肝」の状態でさらにアルコールを大量に摂取すると、徐々に肝臓の機能が低下していきます。

 

いわゆる、肝機能の低下です。

 

アルコール性肝炎

さらに、「アルコール性脂肪肝」を放置したうえで、アルコールを大量に飲むと、肝臓の細胞が破壊され、炎症を起こします。

 

これを、アルコール性肝炎と呼びます。

 

肝臓が炎症を起こすと、ようやく症状が現れてきます。

 

主なものとしては、吐き気、黄疸、発熱、倦怠感などです。

 

実は、私も結構な飲兵衛なんですが、研修医時代にストレスで、

このアルコール性肝炎までなったことがあり、相当だるかったのを覚えています。

 

うん、あれは本当につらかった( ;∀;)

 

アルコール性肝硬変

アルコール性肝炎が進行することで、アルコール性肝硬変を引き起こしてしまいます。

 

腹部エコーをしてみると、肝硬変の状態では、実際に肝臓が硬く小さくなっています。

 

また、肝臓の機能がとても落ちてしまいます。

 

肝臓が十分な機能を果たす事ができなくなると、肝不全と呼ばれたりします。

 

肝臓は、体のエネルギーを調節したり、危ないものを分解したりする大切な臓器なので(だから肝腎とか肝心と呼ばれます)、肝不全になってしまうと大変です。

 

肝がん(肝臓がん)

長い期間、肝臓がダメージを受け続けると、肝臓がんになるリスクを高めてしまう、ということは聞いたことがあると思います。

 

肝硬変は進行すると、肝がんを発症しやすくなってしまいます。




☆治療

禁酒

さて、本題の治療についてです。

 

ノンベエは覚悟して聞いてください。(*_*)

 

アルコール性肝障害の最も基本的で、有効な治療は禁酒です。

 

禁酒する事によって肝臓の状態の悪化を防ぎます。

 

しかし、アルコール性肝障害が発症している方は、日常的な大量飲酒が習慣化しています。

 

しかも私の経験上、アルコール性肝障害の患者さんは、話すのが上手で、いろんな人に好かれる優しい人だったりすることが多いです。

 

ですので、人付き合いも大事ですが、ストレスが溜まっていることも多いので、飲酒以外でストレスをいかに解消するかが大切かな、と思っています。

 

食事の管理

アルコール性肝障害は「食事の管理」によって改善されます。

 

肝臓のダメージを減らしてあげるためにも、カロリーの高すぎる食事や、脂肪を減らす食事をしましょう、とアドバイスします。

 

また、肝障害が進んでいる場合や、合併症が見られ始めた場合には、食事の仕方に工夫が必要になるので、

医師や栄養士さんの指導のもと、正しい食事の知識を学ぶ必要があります。(^^♪

 

投薬

肝臓に炎症が見られる場合は、炎症を抑える抗炎症剤が処方したりします。

 

また、肝臓はビタミンと密接な関係があるので、ビタミン剤などのサプリメントを処方したりもします。




☆予防の仕方や方法

減酒

アルコール性肝障害が気になる方は、禁酒することをオススメします。

 

お酒をやめるのが難しい方は、一度医師にご相談ください。

 

健康診断

肝臓はすごく再生能力が高い器官であるため、症状が出にくい臓器です。

 

しかし、血液検査で比較的に容易に知る事ができます。

 

直接的な予防とはなりませんが、きちんと定期的に健康診断を行い、異常をいち早く発見する事が重要となります。

 

運動

確かに、お酒を飲むことでストレス解消をしている人も多いと思います。

 

ですが、ここで、そのストレス解消の方法に「運動」を選んでみませんか?

 

運動をすることで、先ほど述べた脂肪肝の状態を改善することが出来ますし、

アルコールを飲むことによる肝臓への負担を抑えることができます。