健康ブログ

《医師直筆》フラフラが治らない?鉄欠乏性貧血の原因や治療

からだプラン編集部

 

こんにちは!

 

からだプラン代表、内科医の橋本です。

 

医学についてたくさん知ってもらいたいと思い、医師直筆ブログなるものを書いています。

 

さて、今回は性別や年代を問わずに多く相談を受ける「貧血」について書いていきたいと思います。

☆貧血についての動画を作りました

以下、説明が長くなるので、解説動画を撮影しました♪

貧血について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。

 

ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪

 




☆あたし貧血持ちなんだよね?

まず、世間ではよく「あたし貧血もちなんだよね」とか「貧血で倒れちゃった」とか言われますよね。

 

実はこれ、医者からすると結構違和感があるんです。

 

どういう事かと言うと、意識が無くなってしまう事を「意識消失発作」や「失神」と表現するのが、医学の世界では正しくて、貧血は倒れる事ではないんです。

 

それでは、貧血とはどういう状態を指すのでしょうか。

 

ちょっとその辺の話を、医学マニアらしく(?)詳しく話したいと思います。




☆「貧血」とは何だろう?

では、貧血とは何かについて考えていきたいと思います。

 

早速ですが、結論からお話すると、貧血とは「身体の隅々に酸素が行っていない状態」の事を言います。

 

ちょっと難しいですね。さらに分かりやすく説明します。

 

人間は沢山の細胞(小さな生き物)が集まって出来ています。

 

手足は「骨や筋肉」という細胞から出来ていますし、意識を保つための「脳」も「神経」という細胞から出来ています。

 

その細胞達は酸素を消費して生きているので、もし酸素が届かなかった場合には、それらの動きが出来なくなってしまいます。

 

つまり、手足の細胞に酸素が行きわたらなければ、手足は動かなくなってしまいますし、脳に酸素が行かなければ、意識がなくなってしまいます

 

 

苦手な絵を描いてみました。

 

ポイントは、下書きをしてこのクオリティであるという事です。字も綺麗ですね(苦)。

 

話をまとめると、貧血とは「倒れる事」ではなく、「酸素が体中にいきわたらなくなった状態」の事を言います。

 

 

☆貧血の原因・種類

では、貧血にはどのような種類があるのでしょうか?

 

ちなみに余談ですが、医師国家試験では「30歳女性、主訴はふらつき、既往歴はこうこうこうで、症状や検査所見はこうこうこうです。なんの貧血でしょうか。」というように、貧血に関しての多くの問題が出題されます。

 

内科外来でも、すごく色んな種類の貧血の方が来院されるので、私も経験が多いです(*´ω`*)

 

鉄欠乏性貧血

鉄分が不足することで、酸素を運ぶための赤血球やヘモグロビンが足りなくなってしまう貧血です。

 

また同時に、沢山の出血があっても鉄が足りなくなってしまうので、この貧血になります。

 

また、胃は、鉄を吸収しやすく働きを持っているので、胃の手術をした後にこのタイプの貧血になりやすいです。

 

私は内科ですが、婦人科を受診している人も多いと思うので、まあダントツで一番多いんじゃないかなーと思います。

 

ですので、下でじっくり説明したいと思っています。

 

悪性貧血や巨赤芽球性貧血

ビタミンB12や葉酸という栄養素が不足することが原因の病気です。

 

これらが不足すると、酸素を運ぶための赤血球が上手く成長しなくなり、貧血が起こってしいます。

 

ちなみに、ビタミンB12は、から出てくる「内因子」という物質が無いと、吸収されません。

 

ですから、萎縮性胃炎だったり、胃の手術をした後には、ビタミンB12が欠乏して、この貧血になることがあります。

 

上で述べた「鉄欠乏性貧血」にもかかわっているので、やはり胃は貧血とかかわりが深い臓器である、と言えますね。

 

ここである患者さんのエピソードを紹介します。

 

貧血の原因が分からなくて、色んな病院を受診していた50歳ぐらいの患者さんでした。

 

(運悪く?)私の所にたどり着いて、「この貧血は何が原因なんだろうねーっ」て言いながら、胸の音を聞こうとしたら、胸におっきな痕があって。

 

「おっちゃん、これ何の痕?」って聞いたら「ん?俺は昔、胃の手術したんだ。

 

傷は男の勲章ってな、がっはっは」なんて笑顔で。

 

それでこの悪性貧血が発覚した、なんてこともありました。あれまてよ、ということは今までの先生は、胸の音聞いていなかった、、、?なんて考えない考えない(/・ω・)/

 

溶血性貧血

赤血球がなにかの原因で壊されてしまい、それが原因で引き起こされる貧血です。

 

なんらかの原因と言うのは、脾臓が大きくなって沢山の赤血球を壊してしまったり、遺伝的に赤血球の形がおかしくて壊れやすかったり、赤血球を壊してしまう抗体が作られてしまったりなど、様々です。

 

ちなみに血液検査をして、顕微鏡をのぞいてみると、「破砕赤血球」という赤血球が見られたりします。

 

 

赤血球の絵は描けそうだ(思い上がり)。

 

再生不良性貧血

骨の中の骨髄にある、血液を造る大本の細胞「造血幹細胞」が勝手に死んでしまい、すべての血球が減少する病気です。

 

大本の細胞なので、赤血球も白血球も血小板も、全部全部減ってしまいます。

 

原因はなんだ、と知りたくなりますが、特発性と言って、再生不良性貧血の原因は分からないものが80%です。

 

残りの原因としては、薬剤性と言って、薬の副作用によって引き起こされたりもします。

 

腎性貧血

腎臓は、エリスロポエチンと言う、赤血球を沢山作るためのホルモンを分泌しています。

 

もし腎臓のはたらきが低下し、このホルモンが減ってしまうと、当然、赤血球が作られにくくなり、貧血になります。

 

透析の患者さんの貧血の多くは、この腎性貧血です。

 

反射性(神経調節性)失神

これは、いわゆる「立ちくらみ」です。立ち上がった時などに、ストンと血圧が落ちてしまい、脳に行く血液量が減少して(下肢に血液が残ってしまって)、起きてしまう低血圧です。

 

最近はこの状態に対して、脳貧血なんて言葉が使われるようになっていますが、私はこの言葉をあまり好きではありません。

 

だれでも急に立ち上がればそうなりますし、病気ではなく自然な現象の一つだと考えた方がいいと思っているからです。

 

ちなみに、正しい医学用語は「血管迷走神経性失神」です。私は「迷走神経反射」という言葉を使っています。

※「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」より

 

このように見ると、貧血にも色々な種類がありますよね。

 

他にも、上記に挙げた以外に様々な種類の貧血があります。

 

さて、次からは、貧血の症状についてみていきたいと思います。




☆貧血の症状

それでは、貧血の人に良く起こる症状を、箇条書きにしてみたいと思います。

 

先程も言ったように、「その組織の酸素が足りなくなった時に起こる」症状です。

 

体調に関する症状

・疲れやすい
・だるい
・めまいがする
・動悸や息切れがする
・眠気
・吐き気

 

頭痛や肩こりに関する症状

・頭痛
・肩こりがある
・頭が重い
・顔色が悪くなる

 

食事に関する症状

・食べ物が飲み込みづらい
・口の端が切れる
・舌の表面の突起がなくなる
・氷など硬いものを大量に食べたくなる

 

肌・髪・爪に関する症状

・爪が曲がる
・爪が割れやすい
・枝毛・抜け毛が増える
・肌がガサガザする

 

なんか当てはまる症状が多いなという方は、読み進めてくださいませ。




☆貧血のメカニズムを考えてみる

次に、「貧血」のメカニズムを考えてみましょう。

 

まあ、先程お話した通り、「貧血」と一口で言っても、医学的には様々な原因が考えられます。

 

それらの全てを説明するのは医学書に任せることにして、一番よく見るタイプの貧血「鉄欠乏性貧血」を説明していきたいと思います。

 

まず、赤血球の中にはヘモグロビンがあって、その中に鉄が含まれています。

 

そして、鉄欠乏性貧血は体内に含まれる鉄分が不足してしまう事が主な原因です。

 

鉄が不足することで、赤血球の中のヘモグロビンの中にある鉄が少なくなってしまい、その結果、酸素をうまく運べなくなるために起きてしまう貧血です。

 

とはいっても、上手な絵が無ければ理解しづらいですよね。ふふふ、少々お待ちを。

 

 

あああ、見るに堪えねえ。えっとまあ、難しく考えると大変なので、「鉄は貧血と関係があるんだなあ」と覚えておけば良いでしょう!!(ほんとにイラスト描けるボランティア募集中!




☆鉄欠乏性貧血の原因

ようやく、前置きが終わりました。

 

これから本題の鉄欠乏性貧血の話です。

 

もちろん、この治療を考える時には、「なぜ体内で鉄が不足するのか」を考えるのが大切です。

 

鉄が不足する原因は、大きく分けて四つあります。

 

鉄の摂取量不足

一番イメージしやすいのではないでしょうか。

 

鉄分が含まれている食べ物を食べなければ、当然鉄分は足りなくなってしまいます。

 

ちなみに、厚生労働省の調査によると、日本人の大半は、男女問わずに、鉄分が不足していると言われています。

 

鉄を多く含む食品として代表的なものが、レバーですね。

 

成長期や妊娠、授乳などで、鉄の必要量が増加したこと

これも想像がつきやすいかと思います。

 

体が成長中だったり、妊娠や授乳などで、子どもの分の鉄分も取らなければならないとなると、必要になる鉄の量が増えても仕方がありませんよね。

 

出血による鉄の流出

そしてもちろん、出血により赤血球が体から失われることも、貧血の原因になります。

 

特に女性は、月経(いわゆる「生理」)の際に出血するので、その分失われる鉄分も多くなります。

 

実際、厚生労働省が推奨する鉄分の摂取量も、女性のほうが多いんです。

 

余談ですが、昔、私が医学部で受けた授業では、「女性は慢性的な貧血です」とはっきり習いました。

ここで思い出してほしいのが、日本人女性の多くは、もともと鉄不足気味なのです。

 

鉄の不足、(月経による)出血、(授乳中や成長期であれば)必要量の増加、という、ダブル、いやトリプルパンチが襲っているわけですね。(*_*)

 

胃の手術(胃切除など)により鉄の吸収が低下すること

実は、胃酸は、体に鉄を吸収する手助けをしています。

 

難しい話をすると、本来胃では胃酸で鉄を酸化して、鉄を吸収しやすくしているのです。

 

ですから、手術で胃を切除したり、胃酸の分泌が低下すると、その分鉄も吸収されにくくなります。

 

水分不足

鉄の話は関係が無くなりますが、「酸素を運ぶ赤血球」を運ぶのは誰でしょうか。

 

そうです、血液ですね。

 

つまり、水分不足で血液自体が少なくなると、身体中に酸素がいきわたらなくなるので、それも貧血の症状を引き起こす原因の一つとなってしまいます。




☆鉄欠乏性貧血に有効な食事

基本的には、鉄分を多く含む食品を食べるようにする事が一番の治療法になります。

 

特に、鉄分の中でも肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」をとる方が効率が良いと言われています。

 

具体的には、豚肉牛肉鶏肉レバーかつおいわしまぐろ等です。

 

覚え方は「動物たちを血ごと食べてやる!」というイメージです 笑

 

食べにくくなるなんて言わないでくださいね(*´▽`*) あくまで覚え方です。

 

意識してみるようにしてください。

 

サプリで足りない鉄分を補うこともありますが、普段の食事から気を付けた方が効率も良いと、個人的には思っています。

 

ちなみに、便秘に良いとされている食物繊維は、実は鉄の吸収を悪くする、とも言われています。

 

どんなものであっても、取りすぎは悪影響を与える可能性があるのです。

 

ですので、詳しい人に聞いてみることは有効な手段です。

 

最近は運動に合わせて、食事の仕方も丁寧に教えてくれるジムさんも増えてきました。

 

からだプランではそういうジムさんを紹介していたりするので、是非一度覗いてみてくださいね。




☆貧血が治らない時は?

症状が治まらない時は、内科を受診する必要があります。

 

先程もお話しました通り、貧血にも様々な原因があります。

 

実は、「貧血」には、重大な病気が隠れていることもあります。

 

ただの貧血だと思っていたら、という患者さんが、結構います。

 

ですので、病院の受診は、我慢したり、ためらわないで下さいね(^0_0^)

☆貧血についての動画を作りました

貧血について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。

 

ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪

 




他の記事を探す

※空白文字だけでは検索できません