こんにちは。からだプラン代表医師の橋本です。普段は内科医として働いています。
からだプランにお越し頂き、ありがとうございます。
皆さんもご存知の通り、病院にはたくさんの患者さんが来院します。その中には、ゆっくり時間をかけてお話しすることが出来たら、きっと良くなるだろうな、と思う患者さんも沢山います。そこで、からだプランの出番です!
からだプランでは「もっと医学を楽しもう!」をモットーに、医学をたくさんの方に楽しんでもらえるよう、健康コラムを書いています。そしてお察しの通り、収益は全く無い状態で書いておりますので、楽しく読んでもらえると嬉しいです。
今回は「眼が充血してる!眼に炎症が起きてるってどういう事!?」というタイトルです。最近はコンタクトレンズが当たり前になってきて、指が眼に直接触れてしまう機会も増え、眼に炎症が起きてしまいました、と相談を受ける事が増えてきました。また、アレルギーや感染症による目の炎症は、どんなに予防してもかかってしまう事があります。今回は、眼の性質を勉強して、眼に炎症が起きた時にどうしたらいいのか考えるコラムを書いてみたいと思います。
まずはいつも通り、外来でよくある会話を(冗談交じりで)ご紹介したいと思います。
患者さん
「先生、これからデートだってのに、また目が充血しちゃった。なんで?」
橋本
「なんでって、、、あれ?今コンタクトレンズしてる?」
患者さん
「いや、コンタクトなしでデートなんて無理だから。カラコン命です。」
橋本
「あ、カラーコンタクトで色目を使おうってね。うわ、天才(*´▽`*)」
患者さん
「ダジャレはいいから、とりあえず治してちょうだい。」
橋本
「そのコンタクトレンズをまず取らないとダメ~。失明しちゃうこともあるんだよ!」
患者さん
「え~。ワンデーだけど、もう一週間ぐらい使ってるし。」
橋本
「アウトアウト!ばい菌入って、感染症起こして赤くなってるんだよ!コンタクトレンズの所で、ばい菌が繁殖してるの!」
患者さん
「ひええ~~。眼でばい菌が繁殖して炎症なんて、気持ち悪いよおー(@_@)」
橋本
「気持ち悪いって、、、あなたの目ですが(-ω-)/」
目次
さて、前提として、目は何をする所でしょうか。アホな質問をするなって声が聞こえそうですね。
目はものを見るための臓器です。では「ものを見る」とはどういうことなのでしょう。ここには生理学・医学の基本がかかわってきます。
少し細かく説明すると、「目にものが見える」メカニズムは生理学的には、外から入ってきた光という刺激を、目のレンズを通して送り、網膜に像を映して、神経を通して脳に伝えるという風に説明されます。
外の世界にあるものを光としてキャッチして、それを電気信号として体の中枢に送り込むための第一中継地年のような役割を担っているということもできるでしょう。
ところで、ここで一つ考えてみたいことがあります。もし、目で炎症が起きてしまうとどうなってしまうでしょう。
そもそも炎症とは、外からやってきたばい菌を身体が退治するために、血液の中から白血球という免疫細胞がドシドシ集まってきている状態の事を言います。
つまり、「白血球」というぐらいなので、炎症が起きたとき、その部位は白く濁ってしまうものなのです。ところでもし、少しでも菌が目に入る度に、目が白く濁ってしまったら一体どうなってしまうでしょう。そもそも目が外から入ってくる光をキャッチするための器官だというところから考えて見ましょう。
そうですね、目が見えなくなってしまいますね。そのため、目では炎症は通常、あまり起きることがないように、人間の身体は作られています。
※関連コラム「血液について説明できると、医者っぽくなる不思議(〜 ̄▽ ̄)〜」
では、目が炎症が起きにくいということは、つまりどういうことを意味するのでしょう。
これは実は、ばい菌に弱いという事を意味しているのです。炎症が起きにくいということは、決してばい菌に強くて、炎症が起きる前にしっかり退治してくれるということではないのです。生理学的には炎症は、むしろ身体を菌から守るための反応なのだという点に注意しましょう。
人間は、ばい菌が入ってきた時にはしっかり炎症を起こして、ばい菌を排除します。しかし、目では炎症が起きづらいので、ばい菌をやっつけることは難しく、どんどん増殖されてしまいます。
目は炎症が起きにくいために、とりわけばい菌が繁殖しないように、とくに衛生的な状態に保つケアをすることが大切になります。
ところが、コンタクトレンズを使用する場合に特に、その使用法を誤ると、目の中でばい菌を繁殖させてしまうリスクとなってしまうのです。
その原因としては、コンタクトレンズで目に傷が入ってしまったり、手で目を触ってしまう、といった事が考えられます。
コンタクトレンズを使う人の一割がかかると言われています。
コンタクトレンズによって目を痛めた場合には、それをきっかけに菌が繁殖したり、アレルギー反応が引き起こされたりして、結膜炎の症状が出る場合があります。
結膜炎は軽い病気というイメージが持たれがちではありますが、重症になった場合には視力に後遺症が出る場合もある病気です。
ドライアイは「乾燥性角結膜炎」というのが正式な名称ですが、これはコンタクトレンズの使用によって目を覆う涙の量が減少し乾燥することによって発生するものです。
涙には、目を衛生的に保つ効果もあるため、乾燥すれば目の衛生環境が悪化するリスクは高まります。
このことから、絶対に気を付けたいのは、コンタクトレンズの扱い方です。
そもそも、私の知り合いの眼科の先生は、みんなコンタクトをしたがりません。
それだけコンタクトレンズを使った時の、怖い目の感染症を知っているのです。
例えば、細菌感染症やウイルス感染症による、眼の炎症ですね。ひどい時には失明してしまいます。
菌の繁殖をおさえるためには、なんといっても、清潔なレンズを入れることが基本です。
もしコンタクトレンズをするのであれば、ワンデーにして使い捨てにしたりするなので、なるべくこまめに新しいものに変えられるようにすることが理想的です。
取り外す時には清潔にした手で扱うことも重要です。汚れた手でレンズをさわればレンズが汚れてしまうし、またそもそも手で目を傷つける危険性もあるからです。
また、ソフトタイプのものを使うことも有効です。取り外し中、装着中に目を傷つける危険性が小さくなるからです。
装着時にどれほどきれいなレンズをきれいな手で装着したとしても、目の表面を傷つけてしまえば、菌の侵入を簡単に許してしまう危険は高まります。
こうした意味で、清潔さだけでなく、目を傷つけないようにするケアも大事なのだと理解しましょう。
また、コンタクトレンズをしている人で、眼が疲れやすい人は、眼に酸素が足りていないからだ、という事も明らかになっています。
沢山コンタクトレンズを使っている人は、休日には眼鏡を活用したりしましょう。
またコンタクトレンズは目を乾燥させやすいということも言えるので、ドライアイの予防の観点からも、しない時間を作って目に潤いをあたえることは重要でしょう。
とまあ、偉そうなことを言っていますが、私自身もコンタクトレンズは必需品です(@_@) 是非大切にしてあげてくださいね。
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