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《医師直筆》胃腸炎を早く治す方法は?抗生剤はいらないの?

からだプラン編集部

こんにちは。

 

からだプランの橋本です。

 

普段は内科医として働いています。

 

さて今回は、胃腸炎についてのお話です。

 

先日外来でこんなやり取りがあったので(アレンジして)ご紹介したいと思います。

 

 

患者さん
「いやー調子悪いよ先生。二日前から下痢が止まらなくて。何とかしておくれ。」

 

橋本
「ほいほい。心当たりはある?」

 

患者さん
「日曜日のバーベキュー。いやー他の人は大丈夫らしいんだけど、原因はそれかな?」

 

橋本
「可能性はあるよね。感染性胃腸炎の疑いってことだ。」

 

患者さん
「まあなんでもいいんだが、とりあえず治してちょうだい。明日デート行きたいんだわ(*´▽`*)」

 

橋本
「はい、整腸剤。」

 

患者さん
「え、他には?」

 

橋本
「吐き気とか腹痛とかある?」

 

患者さん
「いや、ないけど、、、抗生剤とか抗ウイルス剤とか?」

 

橋本
「後は水分しっかりね。そっちの方が薬より大切(^^♪」

 

患者さん
「なんて日だあ~~!」

 

ということで、バーベキューのお話、、、ではなく、感染性胃腸炎についてのお話をしたいと思います。



☆胃腸炎についての動画を作りました

以下、説明が長くなるので、解説動画を撮影しました♪

胃腸炎について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。

 

ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪

 




☆感染性胃腸炎って何ですか?

感染性胃腸炎とは、細菌・ウイルス・寄生虫などの微生物や、それらが作り出した毒素が身体に入ってしまう事で発症します。

 

どのように体の中に入ってしまうかと言うと、それらがついている食べ物や手から口に入る事が原因です。

 

夏場の食中毒や冬場のノロウイルスなどが代表的な感染性胃腸炎と言えます。

 

 

☆感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎の原因は細菌、ウイルス、寄生虫などが挙げられますが、約90%が細菌感染が原因と言われています。

 

また口に入ってからどれくらいで発症するか、どのような症状が起こるかは病原体によって異なります。




感染性胃腸炎と関係のある細菌

前述したように感染性胃腸炎はほとんど細菌によって引き起こされます。

 

ここでは原因となる細菌のいくつかをご紹介します。

 

黄色ブドウ球菌

業界では通称「黄ブ菌(オウブキン)」なんて呼ばれたりする菌です。

 

「ブキン、ブキン」なんて呼ばれたり、耐性のあるブドウ球菌はMRSAと言われるので「エム」と呼ばれたりします。

 

なんでこんな話をしたかと言うと、本当にどこにでもいる菌だから、問題になりやすいのです。

 

詳しく説明すると、黄色ブドウ球菌は健康な人であっても皮膚や喉などに存在します。

 

この菌の悪い性質として、菌自体が悪いのではなく、増殖する時に生成される毒素(外毒素)により、症状を引き起こす点です。

 

主に、汚染された食品の中で増殖する時に生成された毒素を、食品と一緒に食べる事で体内に取り込まれます。

 

そのため、菌をいくらやっつけても、毒素をやっつけなければ、病気につながってしまうのです。

 

ああ、質の悪い、、、。

 

食品を食べてから1〜6時間程度で症状が見られます。

 

結構早いですよね。

 

ここで、よくある「オウブキンおばあちゃまエピソード」をご紹介したいと思います。

 

ある日、孫がおばあちゃんのお家に遊びに来ることになりました。

 

久々の孫におばあちゃんは喜びます。

 

そして興奮して早く起きたおばあちゃん。

 

手を洗うのも忘れ、おばあちゃんが、朝早く起きて孫のためにオニギリをニギニギ。

 

孫は喜んでパクパク、そしてお腹ゴロゴロ。

 

これがオウブキンのよくあるエピソードです。

 

ちなみに、冷蔵庫に入れておいたとか、あったかいままだったとか、全く関係ありませんので悪しからず( ゚Д゚)

 

サルモネラ菌

サルモネラ菌は自然界に広く存在する菌です。

 

肉や卵などの食品やペットなどから感染します。

 

75℃で1分以上加熱する事で無力化できるため、調理時にしっかりと加熱する事で対策しましょう。

 

これは、汚染された食品を食べてから1〜2日ほどの潜伏期間を経て発症します。

 

カンピロバクター

カンピロバクターは、鶏肉や牛レバーから検出される事が多い細菌です。

 

食材を加熱することにより無力化する事ができますが、加熱前に使用した調理器具などから感染することも多いです。

 

用途別に調理器具を分けるなど、入念な対策をとる必要があります。

 

1〜7日の潜伏期間を経て発症します。




感染性胃腸炎の症状

感染性胃腸炎では、病原体によって様々な症状が見られます。

 

ここでは代表的な症状をご紹介します。

 

下痢

感染性胃腸炎の最も代表的な症状は下痢です。

 

嘔吐腹痛を伴った下痢が断続的に見られます。

 

脱水症状

感染性胃腸炎では嘔吐や下痢が続く事により体内の水分か不足し、脱水症状に陥る場合があります。




抗生剤は必要か

感染性胃腸炎を早く治したいと思うと、やはり抗生剤を使いたいと考える人が多いのではないでしょうか。

 

確かに、すでに免疫力が低下している状態や、特定の疾患に罹患している場合など、抗生剤を必要とする場合もあります。

 

医師によっても意見が違うことがありますので、自分が正しいと思った医師を信用してください。ここでは私の考え方を説明します。

 

私は感染性胃腸炎の治療において、基本的に抗生剤は必要ないと考えています。これからその理由をご説明します。

 

 

治療期間

抗生剤を使って治すのと、抗生剤を使わないで治すのに、治療期間に差が認められない事が大きな理由です。

 

抗生剤を使うべきだ、とされている病原体は、かなり限られています。

 

一般的な感染性胃腸炎には必要ないとされています。

 

抗生剤は万能ではない

抗生剤は万能ではありません、抗生剤が効果を表すのは病原体のうちの細菌のみです。

 

ウイルスには一切効果がありません。

 

加えて、抗生剤の種類によって、効く菌と聞かない細菌がいます。

 

抗生剤を使用するにはその症状が、細菌によるものか培養検査を行う必要があります。

 

しかし、培養検査には時間がかかり、治療を行う前に多くの場合は治り始めているのです。

 

下痢を引き起こす

抗生剤は腸内細菌にも影響を及ぼし下痢を起こす事があります。

 

その結果、感染性胃腸炎で下痢になっているのか、抗生剤で下痢になっているのか分からなくなってしまいます。

 

治りにくい治りにくいと思っていたら、自分が実は欲しがっていた抗生剤のせいだった、という事はよくあります。

 

エネルギー

これは私の考えです。

 

もし下痢になっているのであれば腸の粘膜が傷ついており、回復するためのエネルギーが沢山必要になっているはずです。

 

それを、抗生剤という薬を分解するためにエネルギーを使ったり、抗生剤で下痢になってしまうことで、エネルギーを回復に効率よく使えないようになるため、本末転倒だと思うのです。

 

実際に私は、その考えで一般的な感染性胃腸炎の患者さんには、抗生剤を出していません。




☆対症療法が重要になる

では抗生剤を使わずに、感染性胃腸炎はどのように治療するのでしょうか。

 

答えは対症療法です。

 

下痢が出れば整腸剤、熱が出れば解熱剤、吐き気があれば吐き気止めを処方し、脱水兆候が見られれば点滴をします。

 

おかゆやスープなどの消化にいいものを食べて、しっかりと休む事が一番の治療法です。

 

また、普段は体に良いとされている食物繊維ですが、下痢になっている時にはあまり食べないようにしましょう。

 

理由として、下痢の時にチクチクした硬い食物繊維を取ってしまうと、荒れた腸内の粘膜に、より傷をつけてしまうイメージです。

 

同じ理由で、刺激になるものは避けた方が無難でしょう。

 

外来では、「抗生剤を使わずに、対症療法が中心になります」と説明すると、「なんだよ、結局予防しかないのかよ」と言われますが、本当にその通りです。

 

普段から免疫力を上げるような食事と運動を心がけ、手洗いうがいに加え、食事にはしっかりと火を通すことをおすすめします。




☆病院に行くな、ではない!

元々抱えている疾患があったり、血便を伴ったり、異常な腹痛がある場合には、きちんと診断し適切な治療をしなければなりません。

 

また、嘔吐もあって、食事や水分が取れない場合には、脱水になってしまいますので、点滴も有用です。決して無理はしないようにしてください。

 

検査が必要な場合もあります。自己判断はできるだけ行わず、医師に相談するようにしてください。




感染性胃腸炎の予防

予防が重要とお話しましたが、感染性胃腸炎にかからないようにするには、大きく分けて二つの方法があります。

 

病原体が体の中に入らないようにする

まずは病原体を入れなければいいという単純な方法です。

 

この方法はうがいや手洗い、肉はきちんと焼くと言った、簡単なことを心掛けるだけで十分です。

 

病原体が体の中で増えないようにする

免疫力を上げることで入ってしまった病原体が増える前にやっつける予防法です。

 

そのためには普段から食事や運動、睡眠に気を付けて規則正しい生活を送ることが一番です。

 

食事については、普段からバランスのいい食事を心がけるようにしましょう。

 

睡眠については、睡眠不足が免疫力を下げるという医学的エビデンスが沢山あります。

 

どんなに忙しくても、睡眠だけはきちんととるようにしましょう(*´ω`*)

 

そして運動についてです。からだプランでは、健康コラムで知識をつけるのと同じぐらい、身体を動かすことも重要だと考えています。

 

そこで、からだプランは、運動嫌いの人にも運動を楽しんでもらえるように、楽しい運動やジムを紹介しています。
FiNCプレミアム のような低額でパーソナルトレーニングを受けることができるサービスがあるのでおすすめしています。

また、RIZAPのように本格的に運動できるものも利用してみてはいかがでしょうか。
興味があれば、是非ご覧くださいませ(^_-)-☆




☆胃腸炎についての動画を作りました

胃腸炎について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。

 

ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪




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