病気の原因や治療、健康ダイエット法を知ろう!

《医師直筆》慢性胃炎の症状や原因を知り、食事を考えよう!

こんにちは。からだプランの橋本です。普段は内科医として働いています。

 

先日、「健康診断で慢性胃炎と言われたけど、どんな病気なのか」という質問をいただきましたので、解説したいと思います。

 

 

☆慢性胃炎についての動画を作りました

以下、説明が長くなるので、解説動画を撮影しました♪

慢性胃炎について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。

 

ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪




☆そもそも胃って何をしているの?

人は、口から食べ物を食べて、消化し、栄養分を吸収して、肛門から便として外に出します。

 

その消化管の途中にあるのが胃です。

 

胃は初めの方にある消化管で、食べ物を分解する役割があります。

 

同時に、食べ物についている菌や微生物を退治しています。

 

胃酸はとーーーっても強い酸性の液体です。

 

例えば、気持ち悪くて吐いた次の日は喉が痛くなることがありますが、それは胃酸が一つの原因です。

 

さて、ここで一つの疑問がわくと思います。それは、それほど強い胃酸が中に入っていて、なぜ胃自体は溶けないのかという疑問です。

 

実は、胃は粘膜を守るために、アルカリ性の粘液を出して、胃酸を中和する機能があります。それが、胃が溶けない理由なんですね。(≧▽≦)




 ☆慢性胃炎とは?

急激に痛みが発生する「急性胃炎」とは異なり、読んで字のごとく「慢性」化しているのが「慢性胃炎」です。

 

急性胃炎は、症状は激しく辛いものの、ストレスや暴飲暴食などの原因を取り除くことで比較的回復しやすい病気です。

 

一方、慢性胃炎は痛みなどの自覚症状がないまま、長期間かけて進行する場合もある怖い病気です。

 

慢性胃炎は、慢性的に胃が炎症を起こしている状態のため、胃粘膜に大きな負担がかかります。

 

また、慢性胃炎を放置していると、胃がんのリスクを高めることがわかっています。

 

自分一人で改善出来ない場合には、医師に相談して、適切な治療に取り組みましょう。




☆慢性胃炎の原因は?

胃酸を中和する防御機能は、年齢とともに衰えます。

 

そのため、以前は加齢が慢性胃炎の主な原因だと考えられていました。

 

「慢性」とかって名前ですものね。(;´∀`)

 

しかし、1982年にある細菌が発見されたことで、その常識は覆されたのです。

 

ピロリ菌の発見

先ほど書いたように、強い消化力をもつ胃酸ですが、その中でぬくぬくと生きている生き物がいました。

 

それがピロリ菌です。

 

正式には、ヘリコバクター・ピロリ菌と呼ばれるこの細菌の発見まで、胃には絶対に生き物が存在しないと考えられていました。

 

だって胃酸がたっぷりですもの。

 

 (ちなみにピロリ菌を発見した人にはノーベル医学賞が与えられました。2005年の事です。)

 

現在では、このピロリ菌が、慢性胃炎の主な原因とされています。

 

ピロリ菌がいると、胃に炎症が起こります。

 

胃で炎症が起きると、胃もたれになったり、気持ち悪くなったり、時には吐いてしまうなどの症状がでます。

 

あるいは、炎症は起きているが全く症状を感じない人もいます。

 

ピロリ菌は胃に炎症を繰り返させてしまうため、胃の細胞が変異を起こし、胃がんのリスクを上げてしまう事が明らかにされています。

 

その憎い憎いピロリ菌の感染経路は現在でも不明ですが、幼少期に感染することが多いらしい、ということまでは分かっています。




慢性胃炎の原因は9割がピロリ菌

健康診断で慢性胃炎と診断された方の中には、「表層性胃炎」や「慢性萎縮性胃炎」と告げられた方もいるかと思います。

 

確かに、専門的に細かく分類すると、慢性胃炎には、表層性胃炎と萎縮性胃炎があります。

 

また、内視鏡的分類か組織学的分類かでニュアンスが異なります。

 

そこには医者側のこだわりがありますが、どちらにしても、9の慢性胃炎患者さんにピロリ菌がいることがわかっています。

 

そのため、慢性胃炎の方に対しては、まずピロリ菌がいるかどうかを検査します。

 

感染が認められた時には、抗菌薬による除菌療法が行われます(実はこれもまたちょっと面倒です)。

 

 ピロリ菌に感染しているが症状がない方に対しても、今後の胃がんリスクを考慮して、ピロリ菌除菌をおすすめします。




☆慢性胃炎の症状

以下が、慢性胃炎の代表的な症状です。

 

全く自覚症状がない場合から、急性胃炎のような激しい症状が出る場合まであります。

 

・胃の不快感

・胃もたれ

・食後や空腹時の腹痛

・食欲不振

・胸焼け

・吐き気

・嘔吐

 

 

☆慢性胃炎のリスクが高い人

以下のような生活習慣、ライフスタイルや疾患がある人は慢性胃炎のリスクが高まります。かっこの中に簡単に橋本流の解説を付け加えておきます。

 

・コーヒー、脂肪類、柑橘類などをたくさん摂る習慣がある(スタバ好き)

・アルコールを大量に飲む習慣が長く続いている(友達が多いパターン)

・アスピリンやイブプロフェンなどの薬剤の長期使用(痛み止め~ってよく飲んでる人)

・強いストレスがかかる場面が多い(狭い職場で、上司の監視があるとか)

・ピロリ菌に感染している(感染経路が分からないので、今のところとしか言いようがない)

・特定の疾患が原因で、長期に薬剤を内服している(理不尽な場合も多いが、薬を減らせる時には医師と減薬を考慮する)

 

私としては、理不尽な場合も多く診ていますが、生活習慣で慢性胃炎になっている人が大多数ですね。(^0_0^)



☆受診科と検査

受診科

相談する場合には、内科や消化器科を受診してください。

 

検査

色んな検査がありますが、慢性胃炎は内視鏡検査(胃カメラ)で一発で診断できます。これを「確定診断」とかって言ったりします。

 

健康診断のバリウム検査は、確定診断のために行われるのではなく、「スクリーニング検査」といって、大人数の中から異常を持っている人をふるい分けるための検査だというニュアンスが、最近は強くなっていますね。始めから全員に胃カメラやるわけにはいかないので、まあ現実的に、という意味合いも強いです。

 

ピロリ菌がいるかどうかの検査は、尿素呼気試験という検査が一般的です。息をふーっと吐いて、その中に、ピロリ菌がいる時に出てくる空気を感知する検査です。

 

胃カメラで慢性胃炎が見つかったら、尿素呼気試験をやってみようか、と勧められると思います。

 

胃炎もないのに「ピロリ菌の検査をしてほしい」とかって言う人がいますが、それだと保険がおりないという大人の事情で、胃カメラをすすめられます。そうでないと、じゃあ私もじゃあ私もってなっちゃうという、厚生労働省の大人の考えがあります。ふむ、一理ある。ということで、病院を恨まないでくださいまし(´・ω・`)

 

まあ最近は、ピロリ菌がいた場合に血液中に存在する抗体を測る、血液検査もありますね。病院によって、やってたりやってなかったりするので、一概にはなんとも言えません。



☆治療と予防

治療

ピロリ菌の除菌療法を受けることによって、慢性胃炎の進行を抑え、粘膜の改善が期待されます。

 

胃の不調が続くようであれば、受診をして検査を受けましょう。抗菌薬による除菌治療が行われます。

 

また、ストレスは慢性胃炎を悪化させるため、環境を変えるなど、ストレスの除去を行うことも重要です。

 

生活習慣も大事

他にも胃炎を悪くしてしまう生活習慣を改善しましょう。やれることを全てやることが重要です。

 

食事療法

胃酸は食べ物を分解するための液体です。

 

分解しにくい食べ物が胃に入ってくると、その分、胃酸がたくさん必要になってしまいます。

 

脂っぽい食べ物がその代表。胃に負担をかけてしまいます。

 

例えば、天ぷら、かつ丼、焼肉など……ああ、美味しいものばかりです。アブラはうまい。

 

そこで、そういった食事を取る際には、時々にする、野菜をたっぷり食べた後に、ちょっとだけ食べるようにする、噛む回数を増やす、などの工夫を習慣づけましょう。

 

他にも、アルコール、コーヒー、香辛料などの刺激物も炎症を悪化させますので、できるだけ避けた方が良いでしょう。

 

適度な運動

運動には色々なメリットがあります。例えば、運動をすると胃腸全体が動きます。食後に落ち着いたら、軽く運動をしましょう!

 

消化管での食べ物の流れが良くなるので、胃酸がずっと胃に留まらなくなります

 

さらに、運動はストレスを解消させるという大切なメリットがあります。ストレスは自律神経を刺激して、たっぷりと胃酸を出してしまいます。

 

ストレスの解消は大事です。からだプランの健康コラムでは精神科的なストレスの解消法を伝授していますが、運動の習慣も合わせてつけるようにしましょう。

 

からだプランでは様々な運動も紹介しているので、是非見てみてくださいね。

 

 

☆慢性胃炎についての動画を作りました

慢性胃炎について、からだプランメンバーで色々語り合った動画を作ってみました。ブログではニュアンスが伝わりにくい話も盛り沢山にしているので、是非覗いてみてくださいね♪