医師直筆┃咳がひどいRSウイルス!何日で治る?保育園は?
☆はじめに
こんにちは!からだプランの代表医師の橋本将吉(まさよし)と申します。
普段は内科医として勤務しています。
今回は、RSウイルスをテーマにお話します。
RSウイルスは、感染症学的にも中々怖い病気であり、医学生の時にも必ず試験に出題されます。
基本的には小児科の範囲ですが、RSウイルスの患者さんは内科にもよくいらっしゃいます。
それでは解説していきますね。
☆RSウイルスの特徴や症状について
まず、RSウイルスとはそもそも、何者なのでしょうか。
ちょっと専門的にお話しますと、RSウイルスは特に幼児期、生後数週間から数か月の期間において、とてもひどい症状を引き起こします。
そして保育園などで、爆発的に感染が広がります。(´・ω・`)
RSウイルスの症状には様々なものがあります。
「ただの風邪だね」と言われるような軽症の感冒様症状の時もありますし、咳がひどくなってしまう細気管支炎や、高熱が出たりする肺炎まで、様々です。
「軽症の場合に保育園に行けてしまうので、流行してしまうんだ!」なんて言う先生もいますね。
一般的に何日で症状が出現するのかと言うと、感染後4~6日で、発熱や咳、鼻水などの症状が出現し、1週間程度で回復します。
しかし、30%程度は、感染後2~3日で咳がひどくなり、食欲もなくなり、ヒューヒュー言ってしまう喘鳴や呼吸困難などの症状を引き起こしてしまう、細気管支炎や肺炎につながる可能性があります。
☆RSウイルスの治療法は?
次に、RSウイルスの治療の仕方について説明したいと思います。
RSウイルスは、ウイルスの一つです。
ウイルスと言うのは、細胞の中の核の中に入り込む、たいへん小さい微生物であります(小さすぎて微生物ではないと言われる事さえあります)。
そんな小さい生き物をやっつける薬は、開発するのがとても大変です。
つまり一般的にも、そしてRSウイルスというウイルスに対しても、抗生剤はありません。
細かい話をすると、抗ウイルス薬が無いわけではないのですが、安全性が確立されていないため、元々免疫力が低い病気の子や、本当に重症の重症の場合にのみ、使用する事がある、というレベルのものです。
よって、RSウイルスの治療法は「対症療法」となります。
対症療法と言うのは、症状を抑える治療と言う意味です。
例えば、息が苦しく酸素が足りなければ酸素を投与したり、水分が摂れず脱水になってしまっていたら点滴などの輸液療法を行う、といった具合です。
あ、保育園に行かないで、きちんと休んで体力を持ち直す、というのも立派な対症療法ですよ。(・ω・)ノ
先程、細気管支炎や肺炎など、重症化してしまった場合には、これらを入院して行う事もあります。
RSウイルスにはワクチンが無く、手洗いやうがい、咳エチケット以外に予防が出来ないのが恐ろしいのです。
結果的に2018年も大流行しています。困ったものですね、、、。
☆RSウイルスは何日で治るか?
さて、RSウイルスについて勉強してきました。
ついに本題の「RSウイルスは何日で治るか」というお話をします。
先程もお話した通り、乳幼児の1回目の感染であっても、多くの場合は1週間程度で症状が治まります。
2歳以上で、2回目の感染であれば、軽症のまま一週間程度で治ってしまいます。
しかし、重症化してしまった場合には、入院治療が必要であり、治るまでにかかる時間はその状況に応じて、という形になります。
☆保育園はいつから登園していいか?
さて、保育園にはいつから登園してよいのでしょうか。
実は、病院には明確な基準はありません。
しかも「絶対に行っても大丈夫だよ」という検査があるわけではありません(これ、よく患者さんが勘違いしている事なので、はっきり伝えておきます!)。
ですが、それでも、保育園に登園して良い目安が知りたい、と言う人もいると思います。
そこで、一般的なお話をしておくと、「咳や息苦しさなどの呼吸器症状が無くなり、普通に生活できること」と言われています。
一概に「何日経過していれば、絶対に大丈夫だよ」という日にちがあるわけではない事を、もう一度繰り返してお伝えしておきます。(*´▽`*)
☆終わりに
いかがでしたでしょうか。
からだプランでは、このように健康情報の発信を行っています。
困った時にすぐに調べられるように、もしよければブックマークしておいてくださいね。
また、普段から健康意識を高めてもらうため、医者Tuber(医者のユーチューバー)をしています。
興味があれば、是非のぞいてみてくださいね。
以上、からだプランでした。
からだプラン 代表医師 橋本将吉(まさよし)