扁桃腺が腫れるだけでも注意が必要!
扁桃腺は、リンパ組織が集まったもので病原菌が身体に入るのを防ぐ役割があります。口を開けると見えるので、扁桃腺が腫れると心配する方もいます。
扁桃腺が腫れる原因はいくつかあります。ここでは扁桃腺が腫れる原因や対処法などについて、ご紹介します。
■扁桃腺が腫れるのはどんな時?
口を開けると見えるのは口蓋扁桃ですが、これ以外にも咽頭扁桃でも病気が起こることがあります。
扁桃腺が腫れる病気は、口蓋扁桃に見られる扁桃腺肥大、急性扁桃腺炎、慢性扁桃腺炎、また咽頭扁桃では咽頭扁桃肥大などです。アデノイドになったという方がいますが、アデノイドは咽頭扁桃で病名ではありません。
急に高熱が出て、喉の痛みや頭痛、悪寒などが出て、口を開けたら扁桃腺が腫れているという場合は、急性扁桃腺炎であることが多いです。またこの急性扁桃腺炎を1年の内に何度も繰り返してしまう場合は、慢性扁桃腺炎であるかもしれません。
○扁桃腺が腫れたらどうすればよい?
口蓋扁桃腺であれば、口を開ければ見えます。扁桃腺の炎症が広がると、扁桃周囲炎となり症状が急に重くなることもあるため、扁桃腺が腫れる・発熱する・喉の痛みが強いなどの症状があれば早めに受診するようにしましょう。
■扁桃腺が大きいだけなら問題ない?
扁桃腺が腫れる病気に、扁桃腺肥大や咽頭扁桃肥大がありますが、発熱やのどの痛みなどがないことも多いです。お子さまの場合、ただ扁桃腺が大きいというだけであれば、様子を見ながら過ごして大丈夫です。
しかし、息がしにくい、喉の違和感が気になる、飲み込みにくいなどがあれば治療は必要です。また、お子さまでも睡眠時無呼吸症候群を発症することがあります。いびきが多いと感じたら、医師に相談しましょう。
大人で扁桃腺が肥大している方では、何度も急性扁桃炎を繰り返すことで病原菌が扁桃腺に残り、腎臓病や皮膚疾患を合併している場合があります。
腎臓の糸球体という場所が炎症を起こすIgA腎症や、手のひらや足の裏に水膨れがたくさんできる掌蹠膿疱症という病気になることがあるのです。
その他にも乾癬、多形滲出性紅斑、結節性紅斑などを合併することもあり、これらの病気は扁桃病巣疾患と呼ばれていて、扁桃腺の摘出で良くなるという結果が出ています。
何度も急性扁桃炎を繰り返し扁桃腺が腫れたままであり、皮膚症状がみられる場合は、一度皮膚科か内科、耳鼻咽喉科などを受診してみてください。
また腎臓病の場合自覚症状が出ないことが多いため、見過ごされていることもあります。
職場の健診などで血尿やたんぱく尿を指摘された方は、再検査の際扁桃腺が大きいことも医師に伝えてみてください。
■まとめ
扁桃腺は見えるので、腫れるなどの症状があれば早めに対処できます。
症状が重くならないうちに、病院へ行きましょう。
また子供では、扁桃腺が腫れても痛みがないと気付きにくく、症状をうまく伝えられていないこともあります。そのため、大人が異常に気づくことが重要です。
熱があるときはもちろん、日常の生活で食べ物を飲み込みにくそうにしていないか、寝ている時にいびきをかいていないか、鼻で呼吸ができているかなどを見てあげてくださいね。