《医師直筆》糖尿病予備軍の症状は?ダイエットで痩せよう!
こんにちは!
からだプラン代表医師の橋本です。
内科医として働いています。
今回は、糖尿病に焦点を当ててみたいと思います。
糖尿病は生活習慣病の一つで、生活習慣が悪いとなってしまう病気です。
そして、糖尿病になってしまうと、身体に色々な病気が出てきてしまいます。
目次
☆糖尿病
糖尿病とは
糖尿病とは長期の高血糖状態が原因で引き起こされる疾患です。
生活習慣病の代表的な疾患としても知られています。
高血糖状態の継続は、インスリンの作用が不十分でブドウ糖が有効に消費されないことに起因します。
長期間、高血糖状態が継続する事で、様々な症状や合併症のリスクを高めます。
血糖
血糖とは血液中のブドウ糖の事を言い、血糖値とは血液中のブドウ糖の量をあらわしています。
血中のブドウ糖は生命を維持する栄養素として最も重要なものの1つです。
主に血液中から全身の細胞に取り込まれてエネルギー源として利用されます。
血糖調節の仕組み
食事を行うと炭水化物が消化され、ブドウ糖が生成されます。
そのブドウ糖によって血糖値は上昇します。
逆に運動をすると、血液中のブドウ糖が消費され血糖値は低下します。
この血糖値の変動は『インスリン』というホルモンによって調節されており、一定範囲内に保たれるようにコントロールされています。
☆糖尿病の原因
1型糖尿病
糖尿病にはいくつかの異なった原因が知られています。
その一つが1型糖尿病です。
1型糖尿病は糖尿病全体の約5%を占めていると言われ、インスリンを生成する細胞が破壊される事で糖尿病になります。
若い方が発症しやすい特徴があります。
2型糖尿病
生活習慣などによりインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために起こります。
日本では約90%がこのタイプです。
日本人は遺伝的にインスリンの分泌が少ない傾向があり、比較的糖尿病になりやすいと言われています。
主に中高年以降に見られていましたが、最近では若年化が問題視されています。
その他
その他に、様々な理由でインスリンが十分に役割を果たせなくなった時に糖尿病は引き起こされます。
よく知られているものでは、遺伝子の異常や妊娠によるホルモンバランスの変化などがあります。
☆2型糖尿病の症状
初期症状
2型糖尿病の初期症状としては下記のようなものが見られます。
- 尿の量が多くなる
- のどが渇く
- 疲れやすくなる
- 足がつりやすくなる
しかし、他の生活習慣病と同様に自覚する事は難しいです。
合併症
あまり症状がない事を前述にご紹介させていただきました。
なんだこの程度なのか、と思った方もいらっしゃると思います。
しかし、糖尿病の本当の恐ろしさは合併症にあります。
高血糖状態の長期化は様々な合併症を起こし、その中には重篤な症状を引き起こす疾患もあります。
☆代表的な合併症
糖尿病網膜症
高血糖状態は血管に大きなダメージを与える事が知られています。
目の網膜にある血管は他の血管に比べて細く、その分障害を受けやすいです。
網膜の血管がダメージを受ける事で出血や栄養不足状態になり、視力の低下や目のかすみが見られます。
また症状が進行する事で失明することもあります。
糖尿病腎症
腎臓には血液中の老廃物などを排出する機能があります。
網膜同様に細い血管によって構成されており、高血糖の影響を受けやすく、ダメージを受ける事で腎臓の機能は低下します。
腎機能の低下は尿毒症などを引き起こし、機能が失われると腎不全となります。
慢性的に腎不全になると人工透析が必要となり、日常生活に大きな影響を与えます。
糖尿病神経障害
糖尿病の合併症には手足のしびれ、ほてり、痛みどなどがあります。
原因は高血糖状態により神経にダメージを与える物質が蓄積することが挙げられますが、全ては解明されていません。
症状が進行する事で足の感覚が麻痺して、傷があったとしても気づかずに放置してしまい、足の潰瘍や壊疽になることもあります。
☆診断
検査
血液検査によって血糖値を測定する事で検査します。
最近ではHbA1c(ヘモグロビンA1c)の測定値も重要視されています。
HbA1cとは、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値であり、過去1-2ヶ月間の血糖値の平均知ることができ、血糖コントロール状態の目安とされています。
糖尿病
糖尿病患者は世界中で4億人以上と言われており、日本では約1,000万人が糖尿病だと言われています。
世界的に増加傾向にあり、『世界糖尿病デー』を設けるなどの啓蒙活動が行われています。
糖尿病予備軍
境界型糖尿病という状態をご存知でしょうか?
この状態は糖尿病と診断するほど血糖値が高くはないが、正常状態と比べると血糖値が高い状態であり『糖尿病予備軍』と呼ばれる事が多いです。
糖尿病予備軍は日本に1,000 万人ほどいると言われています。
☆予防
ダイエット
体脂肪は血糖値のコントロールを行うインスリンの作用を阻害する事が知られています。
ダイエットによって体脂肪量を減らす事によって、インスリンを効果的に機能させる事ができるようになります。
食生活の改善
血糖値は食事によって上昇します。
逆に言うと食事をコントロールする事で、ある程度血糖値をコントロールできます。
ブドウ糖の元となる炭水化物を食べ過ぎないなど注意するだけでも効果はあります。
健康診断
高血糖状態は特に症状もなく、自覚は困難です。
しかし、健康診断などの血液検査によって簡単に知る事ができます。
生活習慣病全般に言えますが、定期的な健康診断によって自分の今の状態をする事は、予防の観点で非常に有効と言えます。
☆治療
食事療法
糖尿病の治療は高血糖状態の改善を目的とします。
摂取カロリーや栄養素をコントロールする事で、高血糖状態の進行を食い止め、体内のブドウ糖を消費するように促します。
運動療法
運動する事は単純に血中のブドウ糖の消費促進だけでなく、体脂肪の減少にも効果的です。
しかし、分かっていても開始する事、継続する事がとても困難な一面もあります。
まずは、自分の続けられる事を見つける事をオススメします。
また、仲間を見つける事はモチベーション維持に効果的かもしれません。
薬物療法
糖尿病は薬物による治療も多く行われています。
しかし、薬物療法だけでは不十分な場合が多く、生活習慣の改善が重要とされています。