《医師直筆》生活習慣が作れない?生活習慣病の予防の方法!
こんにちは。からだプラン代表医師の橋本です。
普段は内科医として働いています。
早速ですが、私はあまり友達が多い方ではなく、顔も広くありません(広いのは面積だけ)。
そんな私と話してくれる仲間は、基本的に率直な人が多いです。
先日の親友との会話を紹介したいと思います。
ちなみにそいつは医療従事者です。
親友
「よっ、久しぶり。最近調子どうよ?」
橋本
「あまり大きくは変わらん。やれることをコツコツやってるよ。」
親友
「ああ、コラム書いてるやつね。まあいいんじゃない?なんだかなーって思うけど 笑」
橋本
「なんだいなんだい。文句あるんかいな。」
親友
「いや、ちらっと読んでみたんだけど、生活習慣の改善ってやたら言ってるじゃん?」
橋本
「おう。生活習慣の改善は重要だ。それがどうした?」
親友
「あれ、ウザい」
橋本
「すっげー率直な意見 笑 さすが俺の親友。」
親友
「生活習慣って、食事と運動と睡眠でしょ。本当にきちっと考えたら、仕事変えなきゃ無理だし。食事なんて忙しい時食べてる暇ないし、夜遅くに帰るときには食べれないし、運動なんて疲れててやる気起きないし、睡眠なんて、イライラしてたら眠れないし起きれない。そんな時にあのコラム。」
橋本
「ぬぬっ、、、申し訳なくなってきた、、、」
親友
「という事で、正論ばかりで、ウ・ザ・い。」
橋本
「きええええ!(この恨み、コラムで書いてやる~~)」
ということで、生活習慣について、もう一度考えてみたいと思います。
目次
☆生活習慣病の診断と症状
生活習慣病とは
その名の通り生活習慣が原因で発症する疾患の事ですね。特徴としては自覚症状がほとんどない!!
そして自覚した時は命に関わる事態に・・・故にサイレントキラーなんて呼ばれることもあります。
知らぬまに進む動脈硬化
動脈硬化は血管に負担がかかることで引き起こされます。
例えば、血管壁にコレステロールがたまる・高血圧などですね。
自覚症状がほとんど無いため放置されがちです。
放置すればドンドン進行していきます。
進行するとどうなるか?
『狭心症・心筋梗塞、脳卒中』など重篤な疾患を引き起こします。
進行するとどうなるか?
医学の進歩によって、生活習慣病に起因する疾患での死亡率は下がっていると言われています。
しかし、生活習慣病に関連する疾患で死亡する人はいまだに多いといえます。
また、最悪の事態は回避されたが後遺症が残り、介護が必要になることも少なくありません。
そうなればもちろん以前と同じ生活はできませんよね。
健康診断の重要性
『健康診断で引っかかったけど体調悪く無いし大丈夫だよ』こんな言葉聞いたことありませんか?
健康診断は、生活習慣病に自覚症状が無いから必要なんです。
異常がみつかった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
何故なら早め早めの対応が、重篤な疾患の発症リスクの低下には必要だからです。
健康診断チェック
以下の項目にいくつ当てはまりますか?
多いほど生活習慣病の発症リスクは高まります。
- 外食が多い
- 濃い味付けが好き
- あまり運動していない
- タバコがやめられない
- 休肝日がない
- 常に睡眠不足
☆生活習慣病の原因
喫煙
発がん性が注目される喫煙ですが、生活習慣病にも大きく関与していると言われています。
生活習慣病の対策は『禁煙』することが最優先と認識している医師も多いです。
また喫煙していない方でも、間接的に喫煙してしまう『受動喫煙』には気をつけておくべきでしょう。
高血糖
血糖値は正常であれば様々なホルモンによって、常に一定範囲内に調節されています。
その調節機能が正常に働くなることで、血糖値が通常より高い状態になります。
これを『高血糖』状態と言い、高血糖が持続されると『糖尿病』になります。
高血圧
血圧も正常であれば一定の範囲に維持されています。
そして、なんらかの理由で血圧が高い状態で維持されると『高血圧』になります。
実は、高血圧自体は特に症状がありません。
しかし、血管に対して常に負担をかけ脳卒中、腎不全などの発症原因になる可能性があります。
肥満
内臓脂肪が必要以上に蓄積される事です。
必要以上に蓄積された内臓脂肪は、代謝の異常を引き起こします。
隠れ肥満なんて言葉を耳にしたことありませんか?
内蔵脂肪は見た目に出ないこともあるので、痩せているからと安心できません。
高コレステロール
簡単に言えば、血液中の脂質が過剰にある状態ですね。
血管に脂質が溜まることで、様々な疾患を引き起こします。
血液検査で簡単に測ることができるので、健康診断でよく見る項目ですね。
☆生活習慣病と日本
食生活
日本での生活習慣病の原因として『食の西洋化』が挙げられます。
具体的には野菜・魚の摂取量が減り、肉食が増加しています。
対策として国は、炭水化物を中心とし野菜・魚・肉を適度に摂る、日本型食事を指導しています。
取り組み
厚生労働省は生活習慣に対する予防の取り組みとして、『運動』『食生活』『禁煙』を中心として様々なプロジェクトを推進しています。
例
- 「健康づくりのための身体活動基準2013」
- 「健康増進施設認定制度」
- 「日本人の食事摂取基準」
- 「国民健康・栄養調査」
- 「禁煙支援マニュアル」
- 「世界禁煙デー」
☆生活習慣病予防のために
日常生活のポイント
今まで続けてきた生活習慣を変えることは大変なことです。
ポジティブに考えて全てを変えようとするのは難しいです。
まずは『できる』を探して3ヶ月続けてみましょう。
一人が辛いなら仲間を見つけ、一緒に励まし合う環境を作ることも重要なことです。
禁煙
一人で禁煙を達成する事は非常に大変です。
しかし、生活習慣病対策としては必要なことです。
まずは、禁煙外来など専門家に頼ることをオススメします。
お酒を飲みすぎない
毎日の晩酌を楽しみにお仕事に励んでいらっしゃる方も多いと思います。
アルコール摂取量は、1日に約20g程度が適量と言われています。
お酒を飲まない日、いわゆる「休肝日」を設けたり、飲み過ぎに注意して上手に付き合っていきましょう。
バランスがとれた食事
生活習慣病には食事療法が効果的です。
バランスの取れた食事をする事は糖尿病、脂質異常症、高血圧の治療・予防の基本であると言われています。
生活習慣病が気になる方は、まずは食生活を省みることから初めましょう。
適度な運動
適度な運動をすることは、生活習慣病の予防に効果的です。目安は
- 一日20分の歩行を2回
- 体操、筋力トレーニングを各10分
と言われています。まずは自分の出来ることから始めてみましょう。
十分な休養
睡眠は今日の疲れを取り除き、明日の活力を生み出します。
また、仕事から離れる時間はストレスの観点からも必要です。
- 睡眠1日7~8時間
- 休日1ヶ月に6日以上
これを目安に心と体に十分な休養を摂るようにしましょう。
☆生活習慣とは何か エネルギーの観点から
改めて、生活習慣とは何か考えてみたいと思います。
まず前提として、人間は細胞の集まりです。
細胞というのは「小さな生き物」の事です。
つまり、生き物なのでエネルギーが必要です。
それでは、そのエネルギーはどのようにして取るのでしょうか。
太陽エネルギーでしょうか?
いえいえ、それでは植物の光合成になってしまいます。
私たち人間は主に、「食事」をエネルギーの元としています。
食事を食べなければ、栄養失調で死んでしまいます。
次に、その食事のために、人間はどうする必要があるでしょうか?
そうですね、食事をとりに行ったり、食事という行動をするためにも身体を動かさなければなりません。
昔で言えば、直接マンモスや魚を捕りに行って、焼いて、口に運んでいたでしょう。
現代であれば、仕事をして、お金を稼いで、お総菜を買いに行って、料理をして、口に運んだり、外食に行ったりするでしょう。
それらを「運動」と言います。
しかし、人間は細胞の集まりです。
一日をフルに使って、食べたり運動したりし続けては、いずれ限界が来てしまいます。
食べる量にも、動ける量にも限界があるのです。
その時に、エネルギーを蓄えるために、生き物はある方法を使いました。
身体を動かさない、という方法です。
それを「睡眠」と言います。
無駄なエネルギーを使わず、傷ついた組織があればそれを回復するのが睡眠です。
すごい技です。
まとめます。人間は細胞の集まりなので、エネルギーを取り、使い、蓄える必要があります。
それらを、食事・運動・睡眠と言い、まとめて生活習慣と言います。
そのバランスが崩れてしまうと、身体によくないのです。
☆完璧な生活習慣ってあるの?
そもそも完璧な生活習慣とは何でしょうか。
朝6時に起きて、7時、12時、17時にご飯を食べて、22時に寝る、ということでしょうか。
それは理想的に見えて、本当に正しいのでしょうか。
というか、それって出来るんでしょうか?笑
橋本もできたことなどありません。
確かに生活習慣というと、「習慣」なんて言葉を使っているので、毎日決められた時間でないとダメなように感じてしまいます。
しかし、医学的に「完璧な生活習慣はこれだ!」というものはありません。
生活習慣は、人それぞれのものであって、正しいものがあるわけではないのです。
自分にあった生活習慣を作れるかどうかがポイントだと思います。
私は、この現代では、あまり時間にこだわり過ぎないのも大切かなと思っています。
完璧というものが無い以上、完璧を目指すのではなく、自分に合ったバランスを探す方が大切だと考えます。
☆仕事や子育てや介護が生活習慣を乱す?
仕事や子育てが、生活習慣を難しくしているのではないかと言う意見があります。
確かに、仕事であれば、夜勤や締め切りで夜中に起きていなければならない事もあります。
子育てであれば、夜泣きや旦那さんの仕事に合わせて、夜中や朝早くに起きなければならないことも当然あると思います。
しかし、「それらが生活を乱している」と考えるよりも、「生活の一つ」と考えて、どのように組み込むかを考えるのがベターです。
それを医学的に「運動強度」と言います。
具体的に説明します。先程のエネルギーの話に戻りますと、仕事や子育てや介護は、「運動」の一つです。
人間という細胞の集まりが、摂取したエネルギーを「使う」ことです。
身体を動かす仕事をしている人は、それだけ沢山のエネルギーを使っていますし、一日中座っている仕事をしている人は、少ないエネルギーだけ使っています。
そして、使ったエネルギーの分だけ食事や睡眠が必要になります。
つまり、「乱されている」と考えるのではなく、「運動としてエネルギーを使っている」と考えます。
人それぞれの運動(仕事や子育てや介護)があるので、人ぞれぞれの生活習慣があるのです。
☆生活習慣の作り方
年齢、性別、体重、職種など、人それぞれの生き方があります。
そして、自分に合った生活習慣を「作る」ことを意識するようにするといいと思います。
自分で運動を続けるのが難しい人は、最近は家にいてもヨガを教えてもらえるサービスもあります!
興味のある人は覗いてみてはいかがでしょうか!?