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《医師直筆》カルテの字は汚いけど医者は患者を覚えてるの?

 

こんにちは。

 

からだプランの橋本です。

 

普段は内科医として働いています。

 

沢山の人にからだプランを活用してもらうために、色々なテーマでコラムを書いています。

 

最近、医学の知識を学んでもらうためには、医者が経験している事を知っていると、より深く学ぶことが出来るだろうと思うようになりました。

 

そこで今回、「カルテって何を書いてんの?」というタイトルでコラムを書いてみる事にしました。

 

是非楽しく読んでみてほしいと思います。




☆カルテとは

カルテとは

一般的に診療録の事をカルテと呼びます。

 

診療録とは診療経過、処置内容などを記録したものです。

 

ドイツ語に由来しており『カード』という意味があります。

 

以前はカルテをドイツ語で書く事が一般的でしたが、現在は英語と日本語で記載される事が多いです。

 

電子カルテ

カルテと言えば、医師が患者の話を聴きながら紙によくわからない文字を書いているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

 

しかし、最近では各種検査結果を取りまとめたり、医事会計の計算などの手間を効率化するために、紙ではなくパソコンなどを用いて電子カルテを作成する病院が少なくありません。

 

また、電子カルテを導入する事は検査や投薬の重複など、ヒューマンエラーの解消に効果を発揮します。

 

記載内容

法律によって決められている最低限記入しなければならない内容は下記の4つです。

 

  1. 診療を受けた者の住所,氏名,性別,年齢
  2. 病名および主要症状
  3. 治療方法(処方および処置)
  4. 診療年月日

 

また一般的に上記以外にも様々な項目が必要に応じて記載されます。




☆カルテの目的

SOAP式

最近では、カルテは記録としての目的だけではなく、他の医療関係者との連携を橋渡する目的で使用される事も多くなっています。

 

そのために何を、どの様に記載するかを統一しようとする流れが生まれました。

 

そこで生まれた記載方式がSOAP式です。

 

S(Subject):主観的

患者の訴え、病歴など

例えば「今日は頭がぼーっとします。それでも、昨日に比べて少し楽になりました」などです。

病院にかかった時の医師が一生懸命書いてくれている部分です。

 

O(Object):客観的

診察、検査所見など

例えば「熱36.5℃、血圧135/78、、、」などです。

病院で行う体温測定や血圧測定などの検査結果がこの部分にあたります。

 

A(Assessment):情報の評価

主観・客観情報の評価など

例えば「症状は軽快傾向。昨日に投与開始となった内服薬に、効果が認められていると考えられる。」などです。

医師が上記2項目の評価を行う部分です、これより治療方針が決定します。

 

P(Plan):治療方針

治療方針

例えば「引き続き治療を継続する。ただし、内服薬の副作用については、今後も注意して観察する必要がある。」などです。

AssessmentとPlan部分は医師によっては統合して記載する場合もあります。




☆補足

カルテと法律

カルテには様々な法律が関係しています。

例えば、『医師法』第24条1項にて医師が患者を診た場合は、診療録の作成を義務つけています。

また、カルテには様々な個人情報が記載されるため『個人情報保護法』によって管理、運用されています。

 

カルテと患者

以前は、ドイツ語で書かれていたカルテですが、「何を書いているかわからない」という患者の声に答える形で、日本語と英語を用いた表記法を採用しています。

 

最近では、電子カルテの普及によって「診察に行っても医師はパソコンばかりで患者の顔も覚えてない」など別の問題も発生しています。

 

カルテと医師の成長

カルテをしっかり書いていると、患者さんを注意して観察する力がつきます。

 

その上、時間が経ってから見直してみると、大きな勉強になる事もしばしばあります。

 

患者さんが退院してから、情報を整理しようと入院時のカルテを見直した時に、実はもっと早く診断できたのではないか、実はもっと治療を早く開始できたのではないか、というような事に気づくことがしばしばあるからです。

 

そうやって、過去の経験を将来に生かす事が出来るのです。

 

また、カルテは医療従事者同士で共有されます。

 

どの先生がどんな事を考えて治療を行っているのか、みんなで方向性を確認するツールでもあります。

 

カルテはとても大事なものなのです。

 

上記のようなメリットが多いため、研修医はカルテをしっかり書くよう徹底的に教え込まれます。

 

あの診察はしたのか?あの所見はとったのか?他に良い治療方針は考えたのか?治療方針に修正は必要ないのか?

 

と常にチェックされます。

 

カルテが書かれていなければ、もはや診察も治療もしていないも同然です。

 

ヤブ医者と言われても仕方がありません。

 

そう教え込まれるので、研修医を終えてからも医師はカルテにとにかくこだわります。

 

こだわってこだわって、とにかくこだわります。

 

カルテと弊害

最近では、その弊害が騒がれるようになりました。

 

「医者ってパソコンばっかり見ていて、私達を見てくれてない」
「さっき病院の前で先生とすれ違ったのに、顔さえ覚えていてくれなかった」

 

ひええええ、その意見、ごもっともです。

 

きちんと目を見て、きちんと話を聞いて、きちんと考えて診察をし、きちんと考えて検査を出し、想定できるあらゆる可能性を考慮して診断をし、患者さんに合った治療を考えて行い、次の苦しんでいる患者さんを何時間も待たせる事の無いように、スムーズにきちんとカルテに記します。

 

定期的にカルテを見直し、自分の診療が正しかったか、より良くできなかったか考える事も大切です。

 

やりっぱなしは成長につながりません。

 

これが医者のカルテです。患者さんの治療をきちんとしようと思うと、やっぱりカルテが大切なんです。

 

さて、明日も頑張っていきますよー(*´▽`*)